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地球環境の保全

基本的な考え方

タダノグループでは、気候変動対応、CO2削減、産業廃棄物削減、森林保全・海洋保全、生物多様性保全といったさまざまな視点からの地球環境の改善に取り組んでいます。環境方針「人と機械と環境の協調を図り、幸せな社会づくりに貢献します」の下、社員一人ひとりの環境に配慮した行動、環境にやさしい製品開発とサービス提供、環境に配慮した事業活動に努めます。
気候変動対応への取り組みについてはこちらをご覧ください。


長期環境目標の設定

タダノグループは長期環境目標として「2019年度比で2030年に事業活動におけるCO2排出量25%削減、製品におけるCO2排出量35%削減、事業活動における産業廃棄物排出量50%削減」を掲げています。

長期環境目標

事業活動におけるCO2削減

気候変動問題は、世界が一丸となって乗り越えていかなくてはならない重要な課題です。タダノグループとしても、地球環境を保全し持続可能な社会づくりに貢献するための取り組みを進めています。志度工場では2008年に最大出力260kWの太陽光パネルを設置していましたが、さらに1,593kWを追加設置し、2025年に運転を開始。生産・エネルギー両方の側面から再編・効率化に取り組んでいます。また、「Next Generation Smart Plant 〜人と機械が協調し、次世代につながるスマート工場〜」をコンセプトに掲げる香西工場では、エネルギー使用量をリアルタイムで把握できるEMS(エネルギーマネジメントシステム)を導入し、2021年に最大出力1,182kWの太陽光パネルを設置しました。両工場においては、エネルギー効率が良くCO2排出の少ないバージ船を利用した製品輸送にも取り組んでおり、モーダルシフトも積極的に推進しています。
2023年1月には、多度津工場にも最大出力606kWの太陽光パネルを設置しました。また同じく2023年から、香川県在住のグループ社員が自宅で発電した太陽光の余剰電力を、電力会社を通じて買い取り、志度工場で活用する新たな取り組みをはじめました。2025年春時点で46世帯が参加しています。
海外では、ドイツのグループ会社Tadano Demag GmbHが2023年8月、ディングラーシュトラーセの事務所の屋根に675平方メートルの太陽光パネルを設置しました。この太陽光発電システムは年間約70,000kWhを発電し、一日あたり、事務所の建物2棟に電力を供給するのに十分な電力を発電できます。
また、製品カタログの配送方法を見直し、高松本社・東京オフィスからの直送体制を構築することにより、輸送によるCO2排出を削減するという新たな取り組みも進めています。国内外におけるその他の事業所でも、太陽光パネルの設置やエアコンや照明の節電、社有車のEV化・HV化など、環境負荷低減に取り組んでいます。今後も社会の一員として、地球環境の改善に配慮し、脱炭素社会の実現に向けた各種取り組みを強化させていきます。

香西工場に設置した太陽光パネル発電

バージ船を利用した製品輸送

バージ船を利用した製品輸送

CO2排出量の推移(Scope 1・Scope 2)

※1 日本国内全拠点(グループ会社・工場などを含む)が対象。
※2 海外生産拠点が対象。今後、算定範囲をその他海外拠点にも拡大予定。
※3 グループ売上高を分母とした原単位を表記(CO2:トン/売上高:億円)。
※4 対象会社の範囲については、企業結合等により、基準となる2019年度以降の数値を毎年見直しています。

製品におけるCO2削減

建設機械のライフサイクルにおけるCO2排出量は、製品稼働中の排出が大部分を占めています。このような背景もあって、未来の地球を守るために、製品におけるCO2排出量の削減は大きな課題です。
これまでにも、ラフテレーンクレーンCREVO G5シリーズでは環境に配慮した新世代エンジン、無駄なエンジン回転を抑制する「オートアクセル」、クレーン非操作時にPTOポンプを停止する「ポンプオートストップ」を搭載。また、エンジンを起動せずにクレーン作業を可能にする電動パワーユニット「e-PACK」を欧州、そして日本に市場投入するなど、CO2排出量の削減や、燃料消費量の改善、低騒音作業など作業効率と環境に配慮した操作をサポートしてきました。
2023年12月には、世界初となる「電動ラフテレーンクレーン(EVOLT eGR-250N)」を日本で発売し、2024年11月には、アメリカ・カナダ向けに第2弾となるEVOLT eGR1000XLL-1を発売しました。電気の力でクレーン作業・走行をサステナビリティ 事業セグメントガバナンス行うことができ、製品からのCO2排出量をゼロにすることができる画期的な製品です。
また、12月には有線式電動CC 88.1600-1(超大型クローラクレーン)の開発も発表しました。当社グループの製品ラインナップの中で、超大型のクレーンや高揚程の高所作業車は、今後GX(グリーントランスフォーメーション)で増加すると見られる風力発電等の建設現場でも大きな活躍が期待されています。また風力発電設備のメンテナンス用途に特化した、新たな製品開発にも取り組んでおります。今後も脱炭素化・地球環境の保全に貢献する製品開発を加速していきます。

2024年発売のEVOLT eGR-1000XLL-1

事業活動における産業廃棄物削減

政府は循環型社会の実現に向けて、廃棄物の「3R(リデュース 、リユース 、リサイクル)+ リニューアブル」を推進しています。タダノグループでも、2008年の環境マネジメントシステムISO14001の認証取得を契機に、事業活動における産業廃棄物の削減に取り組んでいます。
当社における産業廃棄物のおよそ9割は生産拠点から排出されています。分別の徹底、有価物化の推進、部品梱包材の脱プラスチック推進、余剰部品の有効活用などにより、産業廃棄物の削減を図っています。
有価物化の推進では、廃油をマテリアルリサイクルし再生重油としての再利用や、2024年には「木製ワイヤドラム」や事業所排出の「ペットボトル」について有価物化するなど、廃棄物削減を着実に進めています。
また近年、世界共通の課題となっているプラスチックごみ問題の対応として、廃棄物分別ルールの改訂とビニール系プラスチックの有価物取引を導入し、プラスチック廃棄物の削減に向けて取り組んでいます。
また、部品の納品時に使用する通い箱などの再利用やリサイクルを促進することで、事業活動の中で排出される産業廃棄物の資源化もさらに推進しています。
さらに、製品のパンフレット、データシート、写真などの印刷物の必要性を減らすために、ウェブとiOS用のTadanoProアプリを開発しました。全ての情報をデジタルで提供することで、紙の使用量を最小限に抑え、森林の保全や廃棄物の削減を実現しています。この環境に優しいツールは、お客さまのアクセスを効率化するだけでなく、デジタル時代における持続可能な実践に対するタダノグループの取り組みを示しています。

ISO14001の認証取得

ISO14001の認証取得

分別を徹底する廃棄物置場

分別を徹底する廃棄物置場

TadanoProアプリでの製品情報

TadanoProアプリでの製品情報


産業廃棄物排出量の推移

※1 日本国内全拠点(グループ会社・工場などを含む)が対象。
※2 海外生産拠点(TDG・TFG)が対象。今後、算定範囲をその他海外拠点にも拡大予定。
※3 グループ売上高を分母とした原単位を表記(産業廃棄物:トン/売上高:億円)。
※4 対象会社の範囲については、企業結合等により、基準となる2019年度以降の数値を毎年見直しています。

風力発電への貢献

脱炭素社会の実現に向けて日本でも新たに設置プロジェクトが進む洋上風力発電。貨物船やトレーラートラックによって運ばれた風力発電装置のパーツは、一度港湾施設に運ばれた後、先組み(プレアッセンブル)してから運搬船に積み込まれる作業方式が想定されています。2019年のTadano Demag GmbH買収によって、当社グループのラインナップに加わった世界最大級3,200トン吊りのラチスブーム式クローラクレーンCC 88.3200-1 TWINは、大型化が進む風力発電装置の先組みに大いに活躍し、安全で質の高い建設作業をサポートします。
風力発電先進国であるドイツで培ったノウハウを活かし、日独の両方に開発・生産拠点を持つタダノグループならではの優位性を発揮し、この分野でのさらなる貢献に取り組みます。また風車の補修・メンテナンスのための荷役作業を担うダビットクレーンや最大地上高52.8メートルと国産最高を誇る高所作業車AT530CGなど、さまざまなソリューションを提供します。
タダノグループは陸上・洋上を問わず、風力発電建設・メンテナンスの現場をサポートし、脱炭素社会実現を支えるクリーンエネルギー創出の一翼を担います。

風力発電設備組み立て

生物多様性・森林保全

自然の恵みを将来にわたって守るため、生物多様性・森林の保全に努める取り組みを実施します。
香川県の「フォレストマッチング推進事業」のもと、2020年度からさぬき市の保有林の一部を「タダノまなびの森」と命名して森林保全活動に取り組んでいます。参加しているのはタダノグループ社員の有志で、もともと環境学習のために造成されていた芝生広場を中心に、定期的な草刈りや植林を行うことで「環境のまなびの場」を維持しつつ、周辺の豊かな自然が育んださまざまな生き物の生息環境を生かして、作業の合間には草花や昆虫などの観察学習も実施しています。また、ふだん顔を合わせることのないさまざまな部署の社員・家族の皆さんも森林整備に参加することで交流が生まれる機会にもつながっています。
2024年10月には「第5回タダノまなびの森づくりイベント」を開催して、植林を中心に環境整備を行いました。植林後、地元の団体の専門家による植林した苗木葉の付き方や種の仕組みなどについての環境学習を実施しました。森林整備と植林を通じた環境保全の大切さを感じてもらう教育としての場づくり、また「森林整備・植林に参加する」ことで交流が生まれる機会づくりとして森づくり活動を促進しています。

タダノまなびの森

環境学習

水・海洋保全

海の豊かさを守る取り組みの中で、当社は水資源の保全への取り組みが重要だと考えています。
具体的に、当社製品の塗装には有機溶剤を使用しており、環境汚染のリスクがあります。日本国内の工場では湿式塗装ブースを使用しており、排水についても公共水域には原則放出しない管理で運用して、大気汚染防止法や土壌汚染対策法、水質汚濁防止法など関連法規制の遵守に努めています。また従事者の安全・健康管理等についても、労働安全衛生法をはじめとする関連規制を遵守しています。雨水の排水については放出リスクがあるため、油水分離層の設置・定期点検などの排水管理を実施しています。
海洋保全の一環として「ビーチクリーン活動」にも取り組んでいます。香川県内の当社工場の多くは瀬戸内海に面した場所に位置しています。製品は船便で運ばれることもあり、タダノグループが事業活動を行う上で海とは深い関わりがあります。近年、海ごみは増え続けており、環境にさまざまな悪影響を及ぼしています。実際に清掃活動をすることでまずは海ごみについて知り、関心をもつことから取り組みたいという思いから、2021年度より実施しています。第1回〜第3回の活動では、海岸のごみ拾いとともに海ごみ調査を行いました。調査には、ICC(国際海岸クリーンアップ)データシートを活用し、集めたごみの種類や数量を記録してデータを取りました。これらの活動を通して、海の豊かさを守るためのグループ社員の啓発・参画へとつなげていきます。

志度工場塗装棟

2025年度ビーチクリーン活動

その他環境関連情報

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